新型コロナウイルスに関する補償を求める4月4日提言(案)

粗利補償 提言、意見

4月4日提言(案)の説明

ここに記載した案は、2020年4月10日に開催された上越零細連発足に向けた準備会合において参加者に示されたものです。

当時、4月7日に7都府県を対象に5月6日までを期限に「緊急事態宣言」を発令された直後で、準備会合後の4月16日には緊急事態宣言の対象地域が新潟県を含む全都道府県に拡大されました。

この時点で政府が検討していた補償は「所得制限を設けて世帯当たり一律30万円」の給付であり、あまりにも不公平で国民の分断を生むと零細連準備会合でも批判が出たものです。

その後国民の批判もあり状況が進捗し、「全国民」「一律」に10万円支給については4月30日に第一次補正予算が成立しました。

現在、事業者への補償は雇用調整助成金や持続化給付金のほか、各種助成、貸付等が設けられましたが、十分ではありません。

そこで今後零細連では4月4日提言案を元に「粗利」補償を強く求めていくのものです。粗利補償がなされれば、売上がなくても発生する支払いを補填することができ、したがって問題となっている解雇や雇止めを防ぐことができるのです。

新型コロナウイルスに関する補償を求める提言(案)

2020年4月4日
上越零細連 設立準備グループ

新型コロナウイルス感染拡大抑制のための自粛要請は理解するものである。
しかし、自粛を国民が確実に履行するためには、政府による金銭補償が必要である。

「補償なき自粛」では、人々は「生きるために」経済活動等を続行せざるを得ない。そうなれば、急速な感染拡大を止めることはできない。

また、仮に「補償なき自粛」がある程度実行された場合、経済への打撃は計り知れない。

また、そのために供給組織(企業等)が解散に追い込まれると、膨大な失業者が発生するのみならず、将来の供給力が毀損されてしまう。

一度破壊された供給力が容易に再生されないのは、「失われた30年」で実証済みである。また失業により労働能力が毀損されてしまうのは、ロスト・ジェネレーション(いわゆる就職氷河期世代)が証明している。

補償にかかる財政出動で一般的に懸念されるのは「インフレーション」であるが、現状の経済状況下で高インフレの可能性は非常に低いと思われる。また、仮にインフレが発生したとしても、緊急事態下では一時的なインフレは容認されるべきである。

財政悪化を理由に、日本経済と社会に回復不能なダメージを与える愚を犯さぬよう、ここに提言する。

具体的な補償案は以下の通りである。

1.「全国民」「一律」に10万円支給

これは一時的な生活保障という位置づけだけではなく、自粛を余儀なくされている全国民が新型コロナウイルスと闘うために「奮起」するために支給されるものである。

また、「一律」の理由は、「支給される者」と「されない者」が分断され、国民的連帯が壊れることを防ぐためである。

2.フリーランスを含む全事業者へ「粗利」補償

粗利補償

雇用している従業員を休業させる際に企業が負担する「休業手当」への給付金である「雇用調整助成金」が、休業手当額に対して9割支給に増額された(注 その後5/1より一人一日あたり8330円を上限として、休業手当を100%支給した休業要請対象中小企業には100%助成、その他の中小企業には94%助成に変更、さらに現在上限額を上げることを検討中)。

しかし、企業が負担する経費等は人件費だけではない。他に家賃、水道光熱費、支払利息等、多額の固定経費や過去の借入金の返済を支払う必要があり、自粛による減収によりこれらの支払いが滞れば即廃業に繋がる。

したがって、休業手当に対する助成金だけでは不十分である。

そこで「解雇を回避した事業者」に限定した上で、自粛によって失われた粗利益の全額を補償することで、すべての支払いが可能となるのみならず、従業員へも給与も全額支払うことができる

「粗利」補償により経済を止めないことを強く求めるものである。

以上

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