はじめに

補償なき自粛はありえない

2019年の終わりに中国、武漢市を中心として感染が広がり始めた新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っており、日本でも感染者、死亡者が日々増え続けています。

しかし、死ぬのは人間だけではありません。

全都道府県に広がった緊急事態宣言による外出の自粛要請、店舗等の使用制限要請により、人々の動きは止まり、経済活動という血液の流れが止まろうとしています。

大企業と異なり経営基盤の小さい中小零細企業、個人事業主、フリーランスは今までになかった存亡の危機を迎えています。

政府、自治体が民間に営業自粛を求め経済活動を「止めさせ」たいのであれば、何らかの補償が必要です。

しかし4月7日の記者会見で「日本経済は戦後最大の危機」とした安倍首相は、一方で「個別の損失を直接補償することは現実的ではない」と話しています。

私たちが商売を営む新潟県でも業種により休業要請が始まりました。
しかし県による協力金は一事業者10万円。これで立ち行くわけがありません。

この一連の危機に対して、私たち中小零細事業者は新しい経済団体を設立します。

それまで私たちの声は政府に届くことはありませんでした。
そこで今回は、小さいビジネスを営む同士が集まり、従来の地方経済団体とは異なるアプローチで政治を動かそうとするものです。

「投票」だけの民主主義を逆手に取る

民主主義とはなんでしょうか。

私たちにできることはせいぜい選挙で投票することです。

自分の考えに一番近い政策の候補に投票する。
誰も適した人がいなければ、消去法で投票する。

そんな日々でした。

それでも政治は変わりません。
今回の新型コロナウイルスに対する政府の対応をニュースで見聞きしながら怒りの感情を覚えた方も多いでしょう。

あるとき、のちに今回の設立メンバーになる若者がSNSでこう書きました。

「上越でデモやろうや」

それに対する私(今井)の回答が、そのまま今回の零細連なのです。

従来、政治に不満があったときどうしていたか。
デモは古くからある方法ですが、一方でネットが当たり前の今、首相官邸のホームページに投稿する方法などもあるでしょう。
どうにか私たちの思いを伝えたい。

ただそれは、単なる為政者によるガス抜きにしかならないのです。

ここでひとつ、考えてみて欲しいのです。

投票しかできない、ということは、逆に言えば、政治家に対して「あなたには投票しないよ」と圧力をかけることで私たちの考えを実現させることができるのではないかと。

なんのことはありません。

経団連など巨大な経済団体が日々やっている方法です。
彼ら大企業は、政治家にとって巨大な支持基盤となることで自分たちの望む方向に日本を持っていこうとします。

それを「圧力団体(利益団体)」といいます。

今ここに、新潟県の一地方に、新しい圧力団体が誕生しました。

それは個人事業主やフリーランス、零細企業、今までなら声を出しても政府に絶対に声が届かなかった小さいビジネスの経営者の受け皿となります。

私たちは新しい手段を提案します。
上越地域(衆議院新潟6区)選出の国会議員に対し、我々の政策を陳情・提言します。

今回ならば「営業自粛にともなう休業補償を政府が決定すること」です。

それに対して当地の国会議員が及び腰なのであれば「次の選挙はないぞ」と圧力をかけその動きを選挙区内に広めます。もしその国会議員が私たちの政策を中央に持っていくならば、支援します。

重要なポイントがいくつかあります。

・零細事業者が個々人の政治思想、支持政党の枠を超えて結集すること
・現在選出されている当区の国会議員に対して直接政治経済的な働きかけを行うこと
・その国会議員の所属政党、会派によらないこと

現在はたまたま自由民主党の高鳥修一氏が当区選出の国会議員ですが、もしこれが別の政党の議員になったときにもやることは変わらないという点が重要です。
ある政党のために我々は行動するのではないのです。

そしてこの動きがもし全国に広まったとき、日本は本当に変わるでしょう。

現状に不満があるならば立ち上がらなければなりません。

それが、上越零細連なのです。

令和2年4月23日
上越中小零細事業者新連盟 代表理事 今井 孝

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