7項目の提言を発表しました(2020年11月15日)

提言発表会 提言、意見

2020年11月15日、上越市市民プラザにて「上越零細連ワークショップ・提言発表会」~苦況は続く。上越発、日本経済を救う処方箋~を開催しました。

その場において高鳥修一議員に提出する7項目からなる提言を発表、あわせてワークショップを実施いたしました。

全体進行は中村理事、代表理事今井の挨拶後、早速「提言:上越初、日本経済を救う処方箋」の発表と解説に入りました。

提言発表の進行は町副代表理事、解説は提言をまとめた伊東副代表理事によるものです。その模様を動画にまとめましたのでぜひご覧ください。

提言:上越発、日本経済を救う処方箋/上越零細連(上越中小零細事業者新連盟)2020/11/15

上越零細連では、私たちの経営が日々苦しく日本経済が長い不況から抜け出せない諸悪の根源を「新自由主義」という考え方であるとみなしています。そのことをいかにわかりやすく伝えるかが上越零細連の使命のひとつであるといえます。

そこで当日はワークショップの一環として「新自由主義度チェック」という気軽に回答できるイエス・ノー形式のクイズを用意し、参加者が無意識のうちにどれだけ新自由主義に染まっているかチェックできるようにしました。ぜひあなたも確認してみてください。

その後参加者による自由討論のあと登壇者による総括を経て閉会となりました。

それでは7つの提言をひとつずつご説明しましょう。
水色の枠で囲まれたメモは伊東副代表理事による当日の解説です。

1.粗利補償

粗利補償

現在、新型コロナウイルス禍による自粛等でダメージを受けた業種に対して「Go Toトラベル」等の需要喚起型の救済策が行われているが、このような業種を絞った救済方法では、ダメージを受けた全ての業種を救うことはできない。全業種を「粗利補償」で救済すべきである。

粗利補償というのは、文字通りコロナ禍の自粛等で失われた零細事業者の粗利益を補償せよ、ということです。粗利益が補償されれば、人件費や家賃など全ての経費を支払うことが出来ますので、社員を解雇したり、家賃光熱費が払えなくて廃業する必要はまったくなくなる、ということになります。

2.再度の持続化給付金の支給

再度の持続化給付金の支給

持続化給付金が支給された企業のうち、未だ業績が回復していない企業に対しては、再度、給付金を支給すべきである。その場合、支給要件を前回よりも緩和すべきである。
※ただし、「1.粗利補償」が行われた場合は不要。

粗利補償が実現されればこれは必要なくなるわけですが、自分で提言を作っておきながらこういうのは恐縮なのですが、やはり粗利補償はハードルが高いわけです。ですので、一度持続化給付金が給付されたけれど業績が回復せず、支給された持続化給付金も使い果たしてしまった、そういう零細事業者はたくさんあるわけで、そういう事業者に対してもう一度、持続化給付金を支給すべき、ということです。
その際、今の持続化給付金の支給要件は対前年月の売上減少額が50%以上、となっていますが、これははやりハードルが高いわけです。事業をやっていればわかりますが、10%とか20%減だって、かなりキツいわけです。ですので、せめて30%減とか、要件を緩和していただきたいということです。

3.雇用調整助成金の特例措置の延長・維持

政府は雇用調整助成金の特例措置の段階的縮減を検討しているが、特例措置の縮減は、新型コロナウイルスによる自粛等でダメージを受けながらも辛うじて雇用を維持している企業を、社員の解雇に踏み切らざるを得ない状況に追い込んでしまう。現時点での縮減は行うべきではない。
ただし、「1.粗利補償」が行われた場合は不要。
※2020年11月6日 毎日新聞報道による

これも2と同じで、粗利補償が実現すれば必要ないわけです。先日の新聞の報道ですが、雇用調整助成金の特例措置が段階的に縮減されるという報道がありました。具体的には、現在日額15,000円くらいまで増額されているわけですけれどこれを数千円減らすとか、助成率も100%から90%くらいに減らす、ということが検討されているそうです。これは、もう本当にやめてほしいですね。こういうことをすると、いままで何とか解雇せずに耐えていた企業が、社員を解雇する一押しになってしまうわけです。

4.零細事業者を分断する職業差別をやめよ

職業差別をやめよ

持続化給付金の支給に際して、風俗関連業者への給付は対象外とされた。法的に存在が許されている業種への、政府による明確な職業差別である。このような職業差別は許されるものではない。

これも意味不明で、法的に存在が許されている業種に対して給付金を払わないという、ここまであからさまな職業差別が公然と行われてしまったと。しかもそれが一般にあまり問題とされませんでしたよね。マスコミの皆さんもそうです。本当にひどい話だと思います。

5.中小企業の淘汰反対

中小企業の淘汰反対

菅総理大臣はデービッド・アトキンソン氏(株式会社小西美術工藝社社長)をブレーンとして重用しているが、アトキンソン氏は「中小企業の淘汰」を主張している。我々零細連は中小企業を意図的に廃業に追い込もうとするアトキンソン氏の主張には断固反対である。

アトキンソン氏は過去にこういうことを言っています。日本には零細なラーメン屋が多すぎる、なので、そういう零細ラーメン屋をチェーン店にして、そして零細ラーメン屋の店主を店長にしてしまえと。まあ我々零細事業者にとってはもうお話にならないというか、対話にもならないことをおっしゃっています。絶対反対という立場であります。

6.消費税の廃止

消費税の廃止

「税は財源ではない」ので、「消費税は社会保障の財源」という政府の主張は虚偽である。また、消費税は逆進性が強く不平等な税である。無意味な上に害も大きい消費税は廃止しなければならない。

今日はいわゆる新自由主義を中心にお話いたしましたが、ちょっと抽象的な話が多かったと思います。ですので今日、出席された方々に一つだけ持ち帰っていただきたいことがあります。それは、「税は財源ではない」ということです。
ちなみに国債も財源ではありません。日本政府は、現に今も財源なく支出しています。たとえば今回のコロナ禍で日本政府の支出額は過去最高額となっておりますが、ほとんど誰も財源のことを心配などしていないわけです。税や国債の役割というのは、実は財源ではなくて他の役割があって存在しています。
そこで、なぜ「税は財源ではない」が重要かというと、いわゆる新自由主義的な政策は、まさにこの「税は財源である」と、そして「国債は国民の借金である」と、そして「借金が増えると、将来の世代にツケを残す」と、こう国民を脅して、推進されてきたわけです。
ですが、もし「税は財源ではなく、政府は財政という制約なく支出できる」となったら、今まで国民を脅してきた理由の一つが無くなるわけです。そういう意味で、「税は財源ではない」というのは、私としては、非常に重要なことだと考えております。

7.社会保険料の廃止

社会保険料の廃止

社会保険料もまた社会保障の「財源」ではない。また、所得に関わらず一律の料率であり、消費税と同様に逆進性が非常に強い。消費税と同様に無意味で有害な社会保険料も廃止しなければならない。

社会保険料も、当然、社会保障の財源ではありません。なぜなら、政府は財源なく社会保障支出ができるからです。
この社会保険料と消費税の廃止がなぜ重要かというと、この二つが特に家計の所得を奪っているからなのです。消費税も社会保険料も、ここ20年くらいすごい勢いで増えております。
我々零細事業者の主なお客様は一般の家計ですから、この家計の所得が減れば、当然我々の売上も減ってしまうわけです。
こういう意味で、特に消費税と社会保険料は、意味のないだけではなく有害な税ですので、廃止を提言いたします。

当日の模様は複数のメディアに取り上げていただきました。またTwitterで予想以上の反響をいただきました。そちらについては別途紹介させていただきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました